外国人を接客するときのポイントは?実際に使える英語フレーズも紹介2024.09.13

近年、円安にともなうインバウンドにより、外国人観光客の方を多く目にします。その影響により、飲食店にも外国人の方が多く訪れるようになりました。 しかし、経営側では、外国の方とコミュニケーションをとるのに苦戦してしまうことも多いのではないでしょうか。

今回は、外国人の方へ接客する際のポイントや、実際に使える英語フレーズをご紹介します。この記事を英語力の強化に関する参考資料として、ぜひお役立てください。

外国人を接客するときのポイントは?

英語力に自信がなくても、外国人を接客する際のポイントを押さえておくと、コミュニケーションがとりやすくなります。以下のポイントを押さえたうえで、積極的に外国人の方ともコミュニケーションをとりましょう。

外国人の来店理由を把握して対応する

なぜ外国人のお客様がこの店を訪れたのかを把握できると、行うべき接客がおのずと明確になります。外国人のお客様が来店されたら、まずは来店理由を尋ねてみましょう。 お店の人気メニューを食べにきた・お目当てのお土産がある・日本ならではの食事やものに触れたい・道に迷ったから道順を教えてほしいなど、外国人の主な来店理由はさまざまです。

また、来店理由に沿わない接客は行わないことも大切です。お客様が外国人だからといって必要以上に様子をうかがったり、話しかけすぎたりする必要はありません。英語でコミュニケーションをとりながら来店理由を把握し、その理由に沿った接客を行いましょう。

正しい英語を使わなくてもよい

英語を話すときは、正確な文法を意識しすぎないことも大切です。多少拙い英語になってしまっても、堂々とコミュニケーションをとりましょう。 コミュニケーションをとる際は、相手が伝えたいことを理解しようとする姿勢が重要です。また、相手が話しやすいと感じる環境となるように、笑顔で元気よく応対しましょう。

英語が苦手であっても、理解しようとしている姿勢を相手に示すことで誠意が伝わります。また、相手もよりわかりやすく伝わるように工夫してくれます。コミュニケーションに関するお互いの努力が、よりよい関係を構築します。

外国人のお客様も、慣れない異国の地で緊張しているかもしれません。その際に、相手が少しでも心地よくコミュニケーションがとれるよう、理解しようとする姿勢を示しましょう。

外国人に多いリクエストを想定する

外国人のお客様から受けることの多いリクエストを想定することで、より満足度の高い接客ができます。
小売店の場合、免税について尋ねられるケースが多いでしょう。ほとんどの外国人観光客は、免税での購入を希望します。免税の対象になる金額や、手続きの流れ、書類の書き方などを質問されたとき、スムーズに受け答えできることが理想的です。

また、宿泊先への配送や海外発送、国際保証について確認される場面も多いです。観光客は荷物が多くなりがちなことから、その場で商品を持ち帰るのではなく、宿泊先や空港への配送を希望することがあるためです。こうした対応についても、事前にスタッフ間で共有しておきましょう。

飲食店の場合は、外国人の食事に関する文化的背景を把握することが大切です。外国人には宗教や母国での背景により、食べられないものがあるお客様も多くいらっしゃいます。

たとえば、イスラム教徒であれば豚肉や酒(料理酒を含む)を口にできません。なかには、ベジタリアンやヴィーガンの方などがいらっしゃるでしょう。 それらの方に提供できるメニューも用意しておくと、より多くのお客さまに満足度の高いサービスを提供できます。

さらに、既存のメニューに含まれている食材を英語で把握しておき、一部の食材を抜いて提供できるかどうかも想定しておくとよいでしょう。

ジェスチャー・指差しを活用する

コミュニケーションは、言語のみで行う必要はありません。もし英語力に自信がない場合は、ジェスチャーや指差しも活用してみましょう。
たとえば、写真を多く掲載しているメニューにしておくと、注文をとる際に指差しで正確に注文がとれます。個数に関しても、指で「1」「2」などと表すことで、英語を使わなくても個数が聞けます。

また、英語で尋ねられた際にその内容が分からない場合は、分かる単語やその場の状況を分析し、何を求められているかを考えるのも効果的です。 もちろん独断で動かずに、ジェスチャーやものを使って「このことですか?」と確認しながら意思疎通を図りましょう。

外国人接客時に使える英語フレーズ集

このフレーズ集では、今日からすぐに使える簡単な英語表現を場面別に紹介します。実際の接客シーンで活用してみましょう。

ご来店時に使えるフレーズ

  • いらっしゃいませ。お立ち寄りくださりありがとうございます!:Welcome! Thanks for dropping by!
  • 雨が降っているにもかかわらず、お越しくださりありがとうございます。:Thank you for coming despite the rain.
  • ご予約はされていますか?:Are you here for a reservation today?
  • 何か不明点等ありましたらお声がけください。:Let me know if you have any questions.

お声がけする際に使えるフレーズ

  • 何かお困りごとはございますでしょうか?:Is there anything I can assist you with?
  • 何かお探しのものはございますか?:Is there anything else I can do for you?
  • お探しのものはございますか?:Are you searching for something in particular?
  • ご試着されたい場合はスタッフまでお声がけください。:Just let the staff know if you'd like to try something on.
  • ご自由にお試しください。:Please feel free to give it a try.

商品紹介で使えるフレーズ

  • こちらは現品限りです。:This is our last piece on display.
  • 当店で一番お勧めはこちらのシャツです。:Our top recommendation is this shirt right here.
  • 有料になりますが、ギフト用包装も可能です。:We offer gift wrapping for a small fee.
  • 当店は免税店のため、商品にかかる税金10%は免税となります。:As a duty-free store, we don't charge the 10% consumption tax.

お会計で使えるフレーズ

  • お会計合わせまして10,000円です。:Your total comes to 10,000 yen.
  • 3,000円のおつりとレシートです。:Here’s your change of 3,000 yen along with your receipt.
  • お支払方法はいかがされますか?:How would you prefer to pay today?
  • 現金払いのみとなっており、ご不便をおかけいたします。:We only accept cash at this store, sorry for any inconvenience.
  • こちらにサインをいただけますか?:Could I have your signature here, please?
  • お会計は分けますか?:Would you like to split the bill?

退店時に使えるフレーズ

  • ご来店ありがとうございました!:Thanks for visiting us today!
  • またのご来店を楽しみにしております。:We look forward to seeing you again soon!
  • よい1日をお過ごしください!:Have a wonderful rest of your day!

外国人を接客するための準備は?

ここでは、外国人接客に備えるための具体的な準備について解説します。 外国人のお客様を迎えるにあたっては、事前の準備がスムーズな接客のカギとなります。 とくに、文化や言語の違いによるコミュニケーションの障害を最小限に抑えるために、いくつかの重要なステップを踏んでおくことが大切です。

トラブルシューティングの作成

接客時には、思わぬトラブルが発生することがあります。とくに、外国人のお客様とのやり取りでは、文化的な違いが原因となる誤解が生じやすいため、事前にトラブルシューティングのリストを作成しておくことが有効です。 たとえば、以下のように、具体的なケースと対応例をリストアップしておくとよいでしょう。

ケース例 対応例
お客様の英語が聞き取りにくいときは? お客様にゆっくり話してもらうようお願いする
筆談を試みる チップ文化に関する誤解があるときは?
日本ではそうした文化がなく、チップは不要であることを説明する 外貨での支払いを求められた際の対応は?
外貨での支払いができない場合は、両替所の案内やクレジットカードでの支払いを提案する 宗教的な行事や慣習に配慮が必要な場合は?
イスラム教の礼拝時間や方向を尋ねられたとき 礼拝スペースがあれば案内する
周辺のモスクの場所を教える など
大声での会話や行動によるトラブルとなりそうな場合は? ほかの利用客への配慮をお願いし、トラブルを未然に防ぐために丁寧に説明する

こうしたトラブルシューティングを事前に共有しておくことにより、問題が起きた際にも冷静に対応でき、スムーズな接客が可能になります。

インバウンド研修

外国人観光客の増加にともない、スタッフ全員が外国のお客様に適切に対応できるようにインバウンド研修を行いましょう。研修では、言葉の壁を乗り越えるための基本的な英語フレーズ習得はもちろん、各国の文化や習慣の理解も重要です。

何よりも大切なのは、日本のおもてなしに触れた外国のお客様に「もう一度日本へ来たい」「家族や友人にも日本旅行を勧めたい」と思っていただくことです。日本ならではのおもてなし力を高めるには、まず海外の文化との違いを明確に把握する必要があるでしょう。

接客時のマナーやエチケット、文化的背景に応じた柔軟な対応方法を学ぶことで、国を問わずさまざまなお客様に満足いただけるサービスを提供できるようになります。こうした研修は、その店舗のみならず、日本全体のイメージ向上にも貢献するでしょう。

クリエイティブアルファでは、外国人のお客様への接客を強化するための、インバウンド研修を開催しています。導入背景や店舗の課題にあわせた内容を企画しますので、ぜひご相談ください。

まとめ

今回は、外国人を接客する際のポイントをご紹介しました。外国人の方へ接客する際は、英語が分からなくても堂々と接しましょう。そのためには、英語のフレーズを覚えたり、翻訳アプリを活用したりしながら英語力を高めることが大切です。

また、英語力だけではなく日本とは異なる文化や世界で共通するジェスチャーなどを理解することで、外国人のお客様への接客力を強化できます。 クリエイティブアルファでは、外国人のお客様への接客に特化したインバウンド研修を開催しています。外国人や語学への苦手意識をなくすことで、英語が話せなくてもポイントさえ掴めば、スタッフが積極的にコミュニケーションをとりながら接客ができるようになります。

事前のヒアリングをもとに店舗に合わせた最も効果的な研修を企画しますので、まずはお気軽にご相談ください。