覆面調査の選び方!一般調査員と専門員どちらに依頼すべき?2024.08.7

自社のデータ分析やサービス向上に重要な役割を持つ覆面調査ですが、調査を担当する人材は一般人からなる一般調査員と、その調査や業界に精通する専門員(専門調査員)の2種類に分けられます。

この記事では、覆面調査を依頼する際に一般調査員と専門員のどちらを選ぶべきかを、覆面調査のメリットや導入時の注意点もふまえて解説します。覆面調査の依頼をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

覆面調査のメリット

覆面調査は、企業や店舗が自社のサービスや商品を顧客目線で把握するために重要な役割を持ちます。しかし、覆面調査を依頼する会社選びの手間や費用を考えると、そこまでして依頼するべきか悩む方は多いでしょう。

覆面調査を実施するメリットは、主に以下の4点が挙げられます。これらメリットを魅力に感じる企業や店舗は、積極的に覆面調査を導入してみましょう。

店舗や従業員のサービスが向上する

よりよいサービスとは、顧客の視点から改善することが重要です。どんなに快適なサービスを提供しようと心がけていても、そのサービスが本当に顧客にとって便利かどうかは、実際に利用する顧客の声を聞かなければ分かりません。

とくに顧客の生の声を聞く機会が少ない企業や店舗では、サービスの改善が大きな課題となります。そこで役立つのが覆面調査です。覆面調査員が一般の顧客として来店し、サービスを利用することで、顧客が感じる不満や問題点を見つけ出せます。

これらの不満や問題点を改善することで、顧客の快適性が向上し、結果としてサービスの質が向上します。店舗や従業員のサービス向上を効率的に進めるためには、覆面調査を積極的に実施することが有効です。

顧客満足度が向上する

覆面調査を行うことでサービスの質が大きく向上し、顧客満足度も比例して高まります。覆面調査は主にスーパーマーケットなどの販売店で実施されることが多く、価格や商品の陳列、接客レベルなど、顧客が店を評価する多くのポイントがあります。

とくに、顧客と直接接する接客の質が高いほど、顧客満足度が向上しやすいです。これにより、固定客の増加や来店頻度の向上といった効果も期待できます。気持ちのよい接客は、顧客だけでなく、対応する従業員のモチベーション向上にもつながります。

従業員のモチベーションが高まることで、さらによいサービスが提供されるようになり、結果として店舗全体の雰囲気も改善されるでしょう。覆面調査は、顧客とスタッフの双方にとって、継続的な利益をもたらす重要な手段です。

店舗の課題や現状を把握できる

覆面調査の内容は、数値化された上で企業や店舗へとデータが提出されます。数値による分析を受けることで、これまであいまいだった情報が鮮明になり、現状の問題を把握しやすくなるでしょう。

また、顧客の立場で運営を続けていても、自社だけでは見えない潜在的な課題が存在することがあります。覆面調査は、数値化が難しい店内の雰囲気や従業員の印象についても、調査員が感じた意見をまとめてくれる場合があります。これにより、具体的な課題を見つけられます。

覆面調査を実施する会社のなかには、調査結果をもとに運営改善のアドバイスや研修を提供しているところもあるため、このような会社に依頼することで、よりスムーズに課題解決を図れるでしょう。

従業員の結束力が高まる

改善に向けて企業や店舗が動き出す際は、具体的な目標を設定することが重要です。具体的な目標を決めることで、効率的にサービス改善を進められます。この目標に向かって社内一丸となって取り組むことで、顧客からの信頼向上だけでなく、従業員の結束力も高まります。

目標を達成するために部署やチームごとの一体感も高まり、継続して取り組み続けることでサービスを向上させるための意識もいっそう高まります。覆面調査の結果次第で、成果の高かった従業員を表彰するなどの取り組みを行うと、従業員のモチベーション向上にもつながるでしょう。

従業員のモチベーション向上は、質の高いサービス提供を維持し続けるためにも大切な要素です。覆面調査は課題を浮き彫りにするだけではなく、働く人たちの意識を大きく変える効果もあります。

覆面調査の選び方

覆面調査を実施してくれる会社は数多く存在するため、自社にとって最適な会社を選べるかがカギとなります。どの会社を選ぶべきか悩む場合は、以下のポイントを意識してみましょう。

覆面調査を行う規模で選ぶ

覆面調査をどの程度の規模で実施するかに応じて依頼先を選びましょう。 たとえば、全国に多数展開するスーパーマーケットで覆面調査を行う場合、依頼する会社の規模も大きくなければ、ひとつの会社にまとめて依頼できない可能性があります。

複数の会社に分けて覆面調査を依頼すると、その地域や会社による評価基準の違いによって正確なデータ分析ができません。覆面調査に関して同じ研修を受けている調査員が全店舗に派遣されるとより明確な課題発見にもつながるため、規模に応じて依頼する会社も検討しましょう。

調査員で選ぶ

覆面調査員は、一般から広く募集される「一般調査員」と、特定のジャンルに精通した「専門調査員(専門員)」に分類されます。一般調査員は顧客の視点で問題点や評価を行えますが、サービスの質をさらに高めるための詳細な調査結果を求める場合には、専門員に依頼することをおすすめします。

専門員の数は限られているため、複数の店舗で覆面調査を行う際には、一般調査員に依頼する方が早く調査結果を得られることもあります。状況に応じて、一般調査員と専門員のどちらを選ぶかを検討し、それぞれの調査員を適切に派遣できる会社を選ぶことが重要です。

さらに、専門員は特定のサービスや業界に特化した知識を持っているため、具体的な課題に対する詳細なフィードバックを提供できます。これにより、より具体的かつ実践的な改善策を進めることが可能となります。

実績で選ぶ

これまでにどのような店舗や企業で覆面調査を行ってきた実績があるかも判断材料になります。たとえば、スーパーマーケットなどの販売店で覆面調査の実績が多い会社は、こうした店舗での調査ノウハウを豊富に持っていることが分かります。

そのため、同様の業態の店舗で調査を依頼する場合、より具体的で効果的なフィードバックを得ることが期待できます。 覆面調査の会社が得意とするジャンルと自社のサービスが合致していると、より質の高い調査を進めてもらえるでしょう。

特化した覆面調査会社を選ぶことで、業界特有の課題や改善点に関する詳しい洞察を得られ、調査結果を自社のサービス向上に効果的に活用することが可能です。

料金の適正さで選ぶ

覆面調査の料金は、依頼する店舗・サービスの数やチェック内容、スケジュールに応じて変わります。まずは複数の会社に見積もりを依頼し、自社の状況や予算に合った適正な料金の会社を選びましょう。

覆面調査の料金は、調査対象の店舗数、チェック項目、納期などによって決まります。複数の会社から見積もりを取って、料金が適正かどうかを確認することが大切です。 料金が相場と大きく異なる場合、その理由を確認しましょう。たとえば、経験豊富な調査員を派遣しているために料金が高いなど、付加価値があるかどうかを確かめましょう。

覆面調査を導入する際の注意点

覆面調査を実際に導入するときには、いくつか注意すべき点もあります。何も考えずに覆面調査を導入すると、調査がスムーズに進まなかったり、得られたデータから効果的な課題解決が見出せなかったりすることがあります。 以下の点に注意して、覆面調査を導入しましょう。

現場スタッフに配慮する

覆面調査を実施する際には、現場で働くスタッフにも十分配慮することが重要です。調査の目的や狙いが本部と現場の間で正しく共有されていないと、現場スタッフの反発を招く可能性があります。

覆面調査は現状のサービスの質を確認し、今後の改善に役立てるために行うものです。現場の粗探しや監視が目的と誤解されないよう注意しましょう。 調査後は、よかった点を現場にしっかり伝え、優秀なスタッフを表彰するなどして、従業員のモチベーション向上を図ることが効果的です。

覆面調査が会社の成長に貢献する一方で、現場に過度なプレッシャーを与えないように進めましょう。

結果のみを過信しすぎない

覆面調査で得られる数値データは、サービスの質や課題改善に役立つ重要な情報です。 しかし、この数値だけを過信しないことが大切です。たとえば、複数箇所の店舗で同時に覆面調査を実施したとして、数値上はほかの店舗と大きく差を広げた店舗が必ずしも優秀とは限りません。

実際には、従業員の接客態度や顧客満足度の面でよい成果を上げられていない場合もあります。数値データを活用するだけでなく、調査員のコメントや現場のスタッフからの意見も考慮し、総合的な情報をもとに課題解決に取り組みましょう。

店舗周辺の環境の変化にも目を向ける

店内の調査結果だけでなく周辺環境の変化にもしっかりと目を向けることが大切です。ここでいう周辺環境の変化とは、近所に競合店がオープンする、類似サービスが他社から広まったなどの現象が考えられます。

覆面調査で得たデータも、この周辺環境の変化によって参考にならなくなるケースもあります。継続的に実施される覆面調査(定点調査)の場合、この周辺環境の変化がデータに及ぼす影響は大きいです。

周辺環境の変化には常にアンテナを張り巡らせておき、柔軟に対応できるような対策が求められます。

覆面調査には、主に3つの種類があります。こちらの記事では、覆面調査の種類について解説しています。導入すべき事業者や流れも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

自社のサービスや商品が抱える問題点を改善するために、覆面調査はおすすめの方法です。調査員が顧客の立場となって調査してくれるため、リアルな目線による問題点を見つけて、質向上のための改善につなげられます。

一般調査員か専門員のどちらに調査を依頼するかによっても、得られる情報やデータは異なってくるため、自社が欲しい情報を的確に入手できる方法はどれか、予算等に応じて柔軟に検討してみましょう。

クリエイティブアルファでは、小売業、飲食業、サービス業の企業様やショッピングモールのテナント様向けに、覆面調査を実施しています。さまざまな研修を受けたプロの専門員が多数在籍しており、第三者としての的確な視点で問題解決に向けた調査を行います。

事前に店舗の課題や目標を詳しくヒアリングし、必要に応じて現地視察も行い、最も効果的な研修・サービスプランを立案します。調査の後は、面談や現地での指導を行い、顧客がその店舗で得られる最高の「顧客体験価値」を見つけ出します。

紹介している研修・サービスだけでなく、お客様の課題やご要望に応じて新しい研修・サービスをオーダーメイドで企画することも可能なため、ぜひお気軽にご相談ください。