覆面調査の種類は主に3つ!それぞれの違いを紹介2024.07.9

「自社店舗のサービスに、顧客は満足しているのだろうか?」「もう少しサービスを改善したい」と、お悩みの企業は多いのではないでしょうか。しかし、顧客からのフィードバックを待ち、データ分析しサービス向上に結びつけるためには、多くの時間と労力がかかります。

そこで、顧客目線でのリアルな情報を収集できる「覆面調査」を検討している企業も多いでしょう。

この記事では、覆面調査の導入を検討中の方へ、覆面調査の種類とそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。また、覆面調査の流れについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

覆面調査の種類

覆面調査とは、一般の客を装い、店内の「接客」「品質」「衛生面」などを調査することです。調査員であることを明かさず、一般客と同様のサービスを受けることで、顧客目線に立った調査を行います。

それにより、企業は顧客目線のリアルなデータを収集・分析ができ、サービスの向上や問題点の把握、品質の向上などにつなげられるのです。

覆面調査には「CS調査(顧客満足度調査)」「フィールドリサーチ(店頭調査)」「ミステリーコール」の3種類に分類されます。

CS調査

「CS調査」は、顧客満足度調査ともいわれ、一般の客を装った調査員が店舗・施設・サービスを利用して、接客などのサービスや商品の品質、店舗の清掃状況などを調査するものです。

調査員ということを知らせず調査を行うことで、実際の店舗・施設・サービスに対する顧客目線での評価から、問題点を把握できます。

また、複数店舗運営をしている企業は、統一されている接客ルールやオペレーションなどが、適切に実施されているかを確認することも可能です。

フィールドリサーチ

「フィールドリサーチ」は、店頭調査ともいわれ、主に流通小売店を対象とした調査であり、買い物客を装った調査員が、商品売り場の状態や価格、競合商品の売り場や販促サービス方法の調査などを行います。

調査は、商品を小売店に納品しているメーカーから依頼される場合が多く、メーカーの販促サービス方法が適切に行われているか、売り場の展開はどうかなどを確認します。

これにより、自社製品の店頭での実態を確認し、売上が伸び悩む問題点を把握して対策を行えます。また、売上をさらに向上させるためのマーケティング戦略の立案にも役立つでしょう。

ミステリーコール

ミステリーコールとは、調査員が一般客を装って、コールセンターやお客様相談窓口などに電話をかけ、オペレーターの電話対応を調査するものです。

調査は、主にオペレーターの電話応対の品質チェックや言葉遣いなどのマナー、問題が生じた際に適切な応対ができるかなどを確認します。

また、ミステリーコールは、自社のオペレーターの問題点を把握するだけではありません。競合他社のコールセンターにも電話し調査を行うことで、競合他社との比較を行い、さらに自社のサービスの改善を図ることもできます。

覆面調査のメリット・デメリット

覆面調査は、顧客目線でのリアルな調査を行うことで、自社の問題点や販促方法を見直し、売上を向上させるための、重要なデータ収集ができる調査方法です。ただし、覆面調査を導入するには、注意しなければならない点もあります。

ここでは、覆面調査を導入するメリットと、注意すべきデメリットを解説します。

メリット

覆面調査を導入することには「問題点の把握と分析」「サービスの品質改善」「組織力の向上」という3つのメリットがあげられます。

・問題点の把握と分析 覆面調査を行うことで、現場の店舗や施設でのリアルな問題点を把握できます。社内の従業員が同じような調査を行っても、現場スタッフはいつもよりよい評価を得ようと、普段とは違う行動や対応をしてしまうでしょう。

それは、現場のリアルな現状を表しているとはいえません。現場の問題点を把握することはできず、サービスや売り上げの向上につながりません。

また、問題点をしっかり把握できれば、なにがその問題を引き起こしているのか分析を行うこともできます。これにより、さらに具体的な施策を講じられ、抜本的な問題点の改善に取り組めるのです。

・サービスの品質改善 覆面調査により、顧客目線での評価を再認識することで、サービスの見直しを客観的に行えます。それにより、サービスの品質は改善し、より多くの顧客の支持を得ることにつながります。

サービスや商品を見直すとき、今までずっと携わってきた担当者だけが行ってしまうと、私的な思いが反映され、偏った視点になりがちです。そのため、サービスや商品の現状の問題点を把握できず、品質改善にはつながりません。

したがって、そのサービスや商品に私的な思いのない第三者である「覆面調査」を導入することは、担当者では気づかない客観的な視点で、サービスや商品を評価ができるという特徴があります。

それにより、サービスや商品はさらに品質を改善できるでしょう。

・組織力向上 組織力を向上させるためには、現場で今どのようにスタッフが働いているのかを把握し、問題点を改善していく必要があります。覆面調査は、客観的で顧客目線の評価で、人材教育や組織改革に重要なデータを提供してくれます。

組織力向上につながる問題点が明確となるため、人材教育やマニュアル化などの仕組みづくりの見直しに取り組めるでしょう。

デメリット

覆面調査を導入する際の注意すべきデメリットは、現場スタッフの粗探しや監視をしていると思われ、モチベーション低下につながることです。

また、覆面調査から得られる数値データだけに、囚われないことも重要です。数値データは、客観的な視点で評価や分析ができ明快ではありますが、とくにサービスなどの点は、数値では測れない部分もあります。

たとえば、売上数は上位の店舗でも、顧客満足度は低いという場合もあります。よって、数値データだけでなく、店舗の周囲や客層などさまざまな要因も合わせて、分析することが大切です。

覆面調査を導入すべき事業者

ここまで記事を読んで、覆面調査の導入を検討したいと思われた方も多いのではないでしょうか。

覆面調査は、流通小売業やサービス業の企業、飲食業だけでなく、流通小売店に商品を納品しているメーカーなどからの依頼が多い調査です。

ただし、ほかの業種でも効果的な場面はあります。たとえば、顧客目線でサービスや商品を見直したい場合やリアルな声を反映したい場合に活用できます。

また、競合店舗の販促状況を把握したり、各店舗でサービスの質に差がないかを確認したりする際にも有効です。さらに、本部の指示が現場で適切に実施されているかを確認したい場合にも役立ちます。

覆面調査の流れ

それでは、具体的に覆面調査はどのような流れで実施されるのかを、紹介します。

1.調査企画

まず覆面調査の依頼を確認後、調査内容や項目などをヒアリングし、調査企画を立案します。調査企画が不適切な場合、調査を行っても充分で必要なデータが取れず、無意味となってしまうこともあります。

よって、調査企画を行う際には、下記の点をしっかり明確にし、設問設計などを行いましょう。

・覆面調査依頼の目的 ・販促やマーケティング上の課題 ・今回の調査で抽出したい問題点や課題 ・調査対象(エリア・店舗数・調査依頼時間など)

2.調査員手配

覆面調査では、調査員をどのように選定するかが重要です。よって、調査員を手配する際には、調査対象と親和性の高い人材を選出し、調査内容をしっかりと教育する必要があります。

調査は一般のアルバイトが行う場合と、専門家が行う場合があります。一般のアルバイトの場合は、一般ユーザーの視点から評価が得られ、専門家が行う場合は、専門的で上流の視点からの詳細な分析が期待できます。

また、調査前には調査方法や内容の教育を行い、評価基準の統一化も行うことを徹底しています。

3.調査実施

調査員の手配が完了後、調査が開始されます。調査員は、事前に決められた調査項目にそって、調査を行います。

回答形式は◯×形式や段階評価が多く用いられます。◯×形式は、明快でわかりやすいですが中間評価ができません。段階的評価は、中間評価ができますが、選択肢が多くなることで情報を分析しにくいともいえます。

回答方法を決める際は、調査する際の判断基準や調査後データ分析することを加味して、検討するようにしましょう。

さらに、評価方法には主観的評価と客観的評価に分けられます。主観的評価とは、調査員が顧客目線で感じたことや体験したことを評価する方法です。実際に体験したことが評価されるため、よりリアルな問題点を把握し、改善のヒントが得られるでしょう。

客観的評価は、調査員によって評価にばらつきが出ないように、判断基準を同一にして行う評価です。調査の設問内容をしっかりと精査する必要がありますが、結果は明快でわかりやすいのが特徴です。

このように、回答形式や評価方法によって、得られる情報やデータには差があるため、しっかり吟味して調査項目の選定を行う必要があります。

4.調査分析・改善

調査が終了次第、調査結果を集計分析し、調査報告書を作成します。また、調査結果を踏まえ、改善策の提案や同じような問題点を抱えた他社での事例紹介などの提案を行います。

問題点を把握するだけでなく、調査依頼した目的を達成するための、改善策を講じていきましょう。

こちらの記事では、覆面調査についてよりくわしく解説しています。導入を検討している企業は、ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

サービスや商品の見直しや改善を行う際には、まずは真っ白な気持ちでサービスや商品に向き合うことが必要です。ただし、自社スタッフで行うには、商品やサービスへの思い入れもあり、難しいこともあるでしょう。

そんなときは、覆面調査がおすすめです。客観的な視点をもつ第三者として調査し、顧客目線でサービスや商品の問題点を把握したり、改善へとつなげたりすることができます。

クリエイティブアルファは、小売・飲食業などの企業や施設様の抱える課題をヒアリングし、問題解決に向けて、覆面調査をはじめ、その後の人材育成や研修までトータルでサポートしています。

また、専門家が調査員を務めることで、業界に関する知識と経験を活かした詳しい分析が可能となり、一般の調査では見逃しがちな問題点や改善点を明確にすることができます。

覆面調査にご興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。