VMDとは?売上向上につながるポイントや成功事例を紹介!2024.03.21

VMDとは?売上向上につながるポイントや成功事例を紹介! VMDとは、顧客の商品購入を促すための戦略活動のことです。うまく取り入れることで、店舗の売上アップにつながります。この記事では、VMDの基礎知識から活用方法までを丁寧に解説します。

「VMDで売り上げを伸ばすにはどうすればいい?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。お店づくりにVMDを取り入れたいと思っていても、いまひとつ理解ができず、うまく活用できていない方もいると思います。

この記事では、VMDについて詳しく解説しています。効果的な取り入れ方や売り上げ向上につながるポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

VMDとは

この章では、VMDについて詳しく解説します。

VMDとは

VMDとは、Visual Merchandising and Displayの略称です。視覚的な要素を用いた販売戦略のことで、顧客が商品を買いやすくするために利用します。

身近な例では、スーパーの売り場にあるPOPや、アパレルショップの店頭に立っているマネキンなどが挙げられます。VMDは、店舗の前を通った人の目を引いて商品に興味をもたせ、売上の向上を促進するのが狙いです。

VMDを活用すれば、企業のブランドイメージを強化したり、魅力的な売り場環境づくりを行ったりすることもできます。

ディスプレイとの違い

VMDと混同しやすいものに「ディスプレイ」があります。それぞれ目的や意味が異なるため、ここで一度整理しておきましょう。

ディスプレイは、商品を視覚的に展示する方法やツールを指す言葉です。商品が魅力的に見えるよう、陳列・装飾を行うことに対して使用します。

一方VMDは、戦略的な手法を用いて顧客の購買意欲につなげる売り場づくりを指します。ディスプレイのように単に視覚に訴えるだけでなく、商品の販売を促すためには何が必要なのかを考えなければなりません。

VMDが役立つ場所

VMDはアパレルだけでなく、さまざまな場所で実施されています。VMDが役立つ場所は、主に以下の店舗や業界です。

・アパレル業界 ・インテリアショップ ・化粧品店 ・家電量販店 ・書店、文房具店 ・飲食業界 ・スーパーマーケット ・カーディーラー

家電量販店では、販売する製品の最新技術や機能などを効果的にアピールするためにVMDを活用します。また飲食業界では、新商品やイチオシのメニューをアピールするためにVMDを使用します。テーブルやカウンターに設置しているPOP、壁に掲示しているポスターなどがその例です。

このようにVMDは、幅広い業界でそれぞれの特徴や独自性を活かしながら取り入れられています。

VMDを実現する3つの施策

ここからは、VMDを実現するための3つの施策について解説します。

VP(ビジュアル・プレゼンテーション)

VP(ビジュアル・プレゼンテーション)は、売り場から離れたところにいる人を店舗の中に誘導するために使われる手法です。お店に興味を持ってもらうためには、店舗やブランドのイメージ、世界観を視覚的に表現する必要があります。

たとえば、入り口付近に大胆な展示スペースを設けて、店舗のイメージに合った装飾を行うこともひとつの手法です。通りがかりの人が「入ってみたい」と思えるような外観になっているかどうかを確認しましょう。

また店舗の内装だけでなく、周囲のショップや行き交う人の動きなど、お店の外を観察してみるのも有効です。

PP(ポイント・オブ・セールス・プレゼンテーション)

PP(ポイント・オブ・セールス・プレゼンテーション)とは、商品が並ぶ場所まで顧客を誘導し、足を止めさせるための手法です。顧客がお店に入って「何のお店なのか」「どんな商品があるのか」をすぐ理解でき、スムーズに買い物ができるよう工夫する必要があります。

アパレルショップの例でいえば、おすすめしたい洋服でコーディネートしたマネキンを展示し、商品を目立たせるための工夫が行われています。

また店内のコーナーごとに、商品をアピールするディスプレイを行うのもひとつの手法です。アイテムやテーマごとにエリアを分けると、顧客の焦点を定まらせることができます。

IP(アイテム・プレゼンテーション)

IP(アイテム・プレゼンテーション)とは、PPで立ち止まった顧客に目の前の商品を手にとってもらうための手法です。アイテムやカラーごとに規則性を持たせて陳列すると、顧客が商品を探しやすくなります。ただ商品を並べるだけではなく、顧客が思わず手にとってしまうような魅力的な陳列方法を考慮しなければなりません。

POPなどを活用して商品のアピールポイントを上手に伝えられれば、接客を行わずとも売り上げを伸ばせる可能性があります。商品の特徴だけでなく、季節感やブランドの認知度などを踏まえて陳列を工夫するのもよいでしょう。

VMDの効果を測る5つの指標

VMD実施後は、どれほどの効果を得られたかを確認することが大切です。この章では、VMDの効果を測るための5つの指標について解説します。

入店率

入店率とは、店舗前の通行人のうちどれくらいの人がお店に入ったかを図る指標です。入店率を測定する方を下記に記載しました。

1、 店内のディスプレイ付近にカメラを設置し、映った顧客の人数を計測する 2、 店舗のエントランスにカメラを設置し、来店した顧客の人数を計測する 3、 2÷1=入店率となる

エントランスが複数ある場合は、それぞれの近くにあるディスプレイを把握したうえで検証を行いましょう。

顧客は店舗のディスプレイやショーウィンドウを見て入店を決めるため、VPに変化を加えると入店率を変動させられます。入店率を上げたい場合は、店舗の入り口を華やかに装飾するなど工夫を施しましょう。

購買率

購買率とは、来店した顧客のうちの何人が商品を購入したかを測る指標です。店内のディスプレイやレイアウトなどに変化を加えることで、売り上げの増減を数値化できます。購買率を測定する方法は下記のとおりです。

1、 店舗のエントランス付近にカメラを設置し、来店者の人数を計測する 2、売上データから購買件数を集計する 3、2÷1=購買率となる

入店者の購入につなげるためには、まずは商品を手にとってもらうことが重要です。店内での滞在期間を長くするために、商品の陳列方法などを工夫しましょう。

客単価

客単価とは、顧客1人が一度の購入で支払う金額のことです。客単価を上げることができれば、たとえ入店数が少なくても利益の上昇を見込めます。

客単価は、顧客が支払った金額の総額で算出できます。たとえば、ある顧客が1回の買い物で100円の商品と200円の商品を購入した場合、客単価は300円となります。

客単価を分析すれば、売り上げが上がらない原因を分析できます。「商品価格は適正に設定しているか」「商品の在庫数は不足していないか」などの課題が把握できるため、具体的な対策を立てやすいでしょう。

セット率

セット率とは、顧客1人あたりの売り上げ数量を測るための指標です。たとえば顧客が複数商品をまとめて購入した場合、1人あたりの売上があがるためセット率が上昇します。セット率の計算方法は下記のとおりです。

総売り上げ量÷購入人数=セット率

セット率を上げるためには「2点以上の購入で5%OFF」など、複数点購入した際に割引を適用するのがおすすめです。顧客にお得感をアピールして購入につなげられれば、セット率を上げられます。

またレジの近くに低単価の商品を置いて、顧客の「ついで買い」を促すのも有効です。限定価格の商品やセールアイテムを置くと、商品購入をすでに決めている顧客の購買欲を促せるでしょう。

滞在時間

滞在時間とは、顧客がどれくらいの間ディスプレイの前に立ち止まったかを測る指標です。計測方法として、店内の各所に立ち止まった人の数と滞在時間をチェックします。顧客がどんなディスプレイ内容に注目したかを検証すれば、今後訴求すべき商品を効果的に把握できるでしょう。

VMDを実施する際の7つのポイント

ここからは、VMDを実施する際の7つのポイントについて解説します。

ターゲットを明確にする

VMDを実施する際は、ターゲットを明確にするのがポイントです。ターゲットやコンセプトが定まっていないと、顧客とのミスマッチが起こりやすくなり、購買意欲につなげるのが難しいでしょう。たとえば小さな子どもをターゲットにしている場合、陳列を低めにして商品を見やすいように工夫する必要があります。

また、店舗の指針やブランドカラーを考慮するのも大切です。ターゲット層を明確にしたうえで統一のとれたコンセプトでまとめると、より多くの集客につながります。

顧客の立場に立って考える

VMDの効果を高めるためには、顧客の立場に立って考えるのも重要です。顧客の目線を意識せずに陳列を行うと、展示の見えづらさや買いづらさにつながり、顧客が離脱してしまいます。

まずは実際に店内を見て回り、顧客が購入しやすいディスプレイであるかどうかをチェックしましょう。たとえば子どもや高齢者層がターゲットであれば、手の届きやすい場所に商品を陳列するとスムーズな購入につながります。

「その商品を購入する人はどのような人物か」「その人物に親切な売り場環境になっているか」を考慮するなど、常に顧客目線を意識しましょう。

見やすいディスプレイを心がける

見やすいディスプレイを心がけるのもポイントです。陳列を工夫すると顧客の購買意欲を促せるため、VMDの効果を高められます。

たとえば、売上をアップさせたい商品には「ゴールデンライン」を取り入れるのが有効です。ゴールデンラインとは、顧客が商品を最も見やすく手にとりやすい位置のことで、高さは110~140cmとされています。

また、ディスプレイの基本構成であるトライアングル・リピート・シンメトリー・アシンメトリーを意識するのもおすすめです。

・トライアングル:背の高い商品を真ん中に設置して、正面から見た時に三角形の形になるようにする ・リピート:規則性をもたせた陳列で特定の商品をアピールする ・シンメトリー:商品を左右対称に陳列して安定感のあるイメージを演出する ・アシンメトリー:商品を左右非対称に陳列して斬新さや力強さを演出する

客層や販売商品などを考慮したうえで、これらの基本構成を組み合わせたり、使い分けたりするとよいでしょう。

POPを使用して売り場を目立たせるのもおすすめです。商品の情報をアピールできるうえに、店舗全体を活気づけられます。

お得感を演出したい場合は「セール中」顧客に興味を持ってもらいたい場合は「新商品」など、その場に応じて効果的にPOPを制作してみましょう。

売り上げアップにつながるおすすめのVMD研修

店舗の売り上げを向上させたいなら、クリエイティブアルファのVMD研修がおすすめです。

体感型のワークショップ形式なので、楽しみながら知識やスキルを習得できます。初級・中級・上級コースから自分のレベルに合わせて選べるため、初めての方でも参加しやすいでしょう。

またディスプレイのテクニックだけではなく、VMDの本質についてもレクチャーを行っています。顧客の購買意欲を引き出すための具体的な方法を理解できるため、学んだ内容をすぐに活用できるのもうれしいポイントです。

VMD研修ならクリエイティブアルファにおまかせください。研修では体感レクチャーやワークショップを通じてVMDの本質を伝え、お客様の購買意欲を引き出すためのお店づくりが理解できます。

まとめ

VMDとは、視覚的な要素を用いて顧客が商品を買いやすくするための販売戦略のことです。VP・PP・IPという3つの要素を組み合わせ、商品の購入を促します。

販売を促進するためには、顧客を店舗の中に誘導して足を止めさせ、目の前の商品を手にとってもらう必要があります。VMDを取り入れると、入店率や購買率の増加につながり売上アップが期待できるでしょう。

クリエイティブアルファのVMD研修なら、自分のレベルに合わせて知識やスキルを習得できます。体感型のワークショップ形式なため、感覚的に理解できるのもうれしいポイントです。お店づくりに必要な知識をすぐに自分の店舗で活用できるでしょう。

売り上げ目標の達成や業績の向上に役立てたい方は、クリエイティブアルファのVMD研修に参加してみてはいかがでしょうか。