接遇研修が必要とされる理由は?実施する目的やメリットも解説2024.01.22

スタッフの顧客に対する接し方は昔よりも重視されるようになり、近年接遇研修を導入する企業が増えつつあります。「弊社でも導入しようかな」と思っていても、やみくもに導入してしまっては意味がありません。 今回は、接遇研修の必要性や実施する目的について解説します。必要性や目的をしっかり把握したうえで、導入するかどうかを判断しましょう。

接遇研修とは?

接遇研修といっても、最初はあまり聞きなれない言葉であると感じる方も多いのではないでしょうか。 今回は、接遇研修とはなにかを知るために、接遇研修が必要な理由や接遇と接客の違いについて解説します。接遇研修を社内で導入する前に、これらの内容をしっかり把握しておきましょう。

接遇研修が必要な理由

近年では、スタッフの接客によってサービスや商品の購入を決める顧客が増えているため、接遇研修が必要とされています。 また、スタッフの接客力が向上するとサービスや商品の売上向上にもつながるということにもなるため、接遇研修は接客力向上に直結する効果的な方法ともいえます。 さらに、サービスや商品の売上が向上すると社会的な価値を高めることにもつながり、ブランド力や信頼度など、企業に対してさまざまな付加価値がつくことにもなるでしょう。

接遇と接客の違い

違いを一言でいうと、顧客への対応の充実度です。接客というのは、顧客に対して不快感を与えない程度の必要最低限のサービス提供を行うことを指します。 一方、接遇というのは接客時に行う内容とプラスして、おもてなしや思いやりのある対応を行うことです。

飲食店での対応を例に挙げてみましょう。この場合の接客を指す対応というのは、お客さんを席へ案内し注文を受け、料理をお客さんのもとへ運び、食事後の皿を下げてお会計の対応するところまでです。

この状況を接遇として対応する場合は、接客時の内容に加え、お子さんがいる際はお子さん用の席を用意したり、熱い料理を提供する際に「鉄板がお熱いのでお気を付けください。」と注意をうながすところまでを指します。

接遇は、顧客ひとりひとりの事情に合わせて対応することが求められ、この点が接客との大きな違いとなります。

接遇研修の目的

そもそも接遇研修がなぜ必要なのか、今回は必要性が分かる接遇研修の目的を5つ紹介します。企業としてどんな改善を行いたいかという視点から見ると、接遇研修を受ける必要性が見えてくるでしょう。

顧客満足度の向上

質の高い接遇は、顧客満足度の向上に大きく関わる要素です。顧客満足度の向上を見るには、リピート客が増加しているかどうかを見ると分かりやすいです。 接遇の質が高ければ、リピート客の増加が期待できます。リピート客は新規顧客の獲得よりも費やすコストが少なくて済むのが一般的であり、接遇研修は顧客満足度の向上に効果的なものであるといえるでしょう。

また、近年では口コミも顧客満足度に関わる重要な要素となっています。よい接遇を行うことでよい口コミが増え、新規やリピートの顧客獲得に大きく期待できるようになるでしょう。

競合他社との差別化

オンラインで商品の購入やサービスの契約を行える昨今では、接遇の質が競合他社との差別化を図る効果的な要素となっています。接遇の質が悪いと、価格が他社より安いとしても売上につなげるにはなかなか難しい時代です。 接遇の質を高めることで、口コミや評判で商品やサービスの価値も向上し、商品やサービスのみでは提供できない付加価値を接遇を通じて提供できます。

社内外での円滑なコミュニケーション

接遇研修は顧客に対してのサービス向上を図る目的が大きいですが、そのほかにも社内でのコミュニケーションをより円滑にするのに効果的であるといった側面もあります。 社内でのコミュニケーションがより円滑になると、上司や部下からの信頼も厚くなり、仕事がより評価されることにつながるでしょう。

また、単純に仕事に対するモチベーション向上にもつながるため、接遇研修は一石二鳥以上の効果をもたらします。接遇研修で学んだ内容は、社内でもぜひ活かしましょう。

企業のブランドイメージの向上

企業のブランドイメージを上げるには、近年では接遇が重要なポイントとなっています。よい接遇を行えば、口コミや評判で企業の価値が高まり、そこに付随して企業自体のブランドイメージがアップします。 一方で、接遇が悪ければ顧客数が減少し、悪い口コミや評判を受けることもあるでしょう。クレームが増えることも考えられます。最終的には、企業としての価値を下げることにもつながります。

商品やサービス自体の価値のみで、企業としての価値は決まりません。接遇が、企業のブランドイメージを大きく左右するポイントとなります。

取引先との良好な関係の構築

よい接遇を行うと、取引先と良好な関係を築けます。やりとりがスムーズに行え、仕事がしやすくなるでしょう。

取引先は、商売をするには必要不可欠な存在です。お互いの関係は、信頼・尊敬・共感の上に成り立ちます。この3つの要素を維持させるために、接遇が必要となるのです。 接遇が悪いと、商売が成り立たなくなる可能性も出てきます。会社、そして社会人として生きていくためにも、接遇は重要視すべきものです。

接遇マナーの5原則とは?

接遇は5つの原則で成り立っているといわれています。今回は、この5原則をひとつずつ解説していきます。この5つの原則を意識し、よい接遇を行いましょう。

身だしなみ

身だしなみは、相手に第一印象として与えるものです。最初に与えた第一印象は、後の評価に大きく影響を与えるものであるため、とても重要なポイントとなります。 身だしなみを整えるためには「相手に不快感や違和感を与えないこと」「TPOを意識した髪型や服装にすること」を意識しましょう。清潔感を意識し、 髪型や服装、爪やヒゲ、香りなどを整えましょう。とくに、香りは控えめなものや無臭であることが一般的にはよいとされているため、もし香りをつける際には注意が必要です。

人によってはあまり身だしなみを気にされない方もいらっしゃいますが、どんなときでも対応できるように基本的な身だしなみの知識は持っておくようにしましょう。

挨拶

挨拶はコミュニケーションの始まりであり、さまざまなメリットをもたらします。具体的には、第一印象をよくすること・コミュニケーションの円滑化・緊張の緩和などに効果を発揮します。 また、挨拶は自分から行うことが重要です。商談や会議など、いざというときでも最初の挨拶を積極的に行うことで周囲の士気が上がり、挨拶次第で物事がよい方向に運ぶこともあるでしょう。

「おはようございます」「こんにちは」などのたった一言が、大きな効果を生むことがあります。よい接遇を行うためにも、挨拶を積極的に行いましょう。

表情

表情があることで、相手が自分に対してどんな気持ちを持っているか察しようとします。「今日は何かうれしいことがあったのかな」「体調が悪いのかな」など、 表情が豊かであればあるほど相手は興味を持ってくれます。それほど、表情が与える影響力は大きいものです。

表情を自分で確認することは鏡を見ないとできず、意識的にならなければ改善することもなかなか難しいでしょう。接遇研修で表情を鍛えることで、 相手とのコミュニケーションがとりやすくなり、いい表情として求められる自然さも身に付いていくでしょう。

話し方

意味合いが正しくても、言葉選びや伝え方を間違えると誤解や不快感を生み、人間関係に悪影響を及ぼすことがあります。それほど、話し方はとても重要であるということです。

話し方には、言葉選びと伝え方がキーポイントとなります。2つのキーポイントを押さえるには、言葉の意味を正しく理解して伝える正確性と、相手に配慮したやわらかい言葉を選ぶ選択力が問われます。

社内外で関わる方々と円滑なコミュニケーションをとり、良好な関係を築き上げるためにもよい話し方をしっかり身に付けましょう。

態度

どんなに身だしなみや話し方がよくても、態度が悪ければ良好な関係を維持するのは困難です。態度は日ごろの行いで無意識のうちに出てくるものであるため、接遇研修で意識的に改善していくことが重要です。 態度として鍛える部分は、姿勢や歩き方、聞き方などが挙げられます。とくに、聞き方に関しては「目を見る」「相槌を打つ」「手や足を組まない」など、押さえるべきポイントが多いです。

相手の目を見るのが苦手であったり、なかなか相槌を打つ習慣がないという方も中にはいらっしゃるかもしれません。そういった方は、聞き方を接遇研修で重点的に改善していきましょう。

自社に合った接遇研修

せっかく接遇研修を行うのであれば、自社に合った研修内容にしたいと思うはずです。 では、どうしたら自社に合った研修内容にできるのか、今回は明確にしておくべき内容について紹介します。講師や研修内容を決める前に行うべき重要なことであるため、今から紹介する内容をしっかり把握しておきましょう。

明確にしておくべき内容は?

接遇研修を実施する前に明確にしておくべき項目は3つあります。それは、研修を行う理由・研修後に達成したい目標・対象者です。この3つが明確になると、講師や研修内容も選定しやすくなります。 なぜ接遇研修を行うべきなのかという理由をまず明確にすると、達成すべき目標が見えてきます。理由と目標まで明確になると、自ずと対象者も明らかになっていくでしょう。

理由・目標・対象者を明確にしたあとは、講師を選定し、講師と一緒に研修内容を決めていきましょう。この際、あらかじめ明確にした3つの項目を講師と共有することが大切です。

接遇研修ならクリエイティブアルファの研修がおすすめです。クリエイティブアルファの研修では、顧客心理への理解とお客様に寄り添った傾聴・共感・提案の方法をお客様視点で学ぶことが可能です。

まとめ

今回は、接遇研修の必要性や目的などについて解説しました。接遇自体は商品の購入やサービスの契約につながる重要な要素であり、顧客満足度やブランドイメージの向上などが主な目的となります。 しかし、いざ接遇研修を行おうと思っても、事前に接遇研修を行う理由や目標、対象者を決める必要があります。その際は、株式会社クリエイティブアルファへの依頼がおすすめです。

株式会社クリエイティブアルファでは、事前に依頼者と研修自体の導入背景や抱えている課題などをヒアリングしながら研修内容を企画しています。 研修前から相談できるため、初めて接遇研修を実施する企業にはぴったりです。まずは一度、気軽にお問い合わせください。