商品陳列のコツは?売り上げアップにつながるポイントやテクニックを解説!2024.04.9

売り場を作っても顧客に興味を持ってもらえず、売り上げが伸び悩んでいるという店舗もあるのではないでしょうか。顧客の購買意欲を高めるために重要なのが、商品陳列を工夫して顧客にアピールするテクニックです。

この記事では、商品陳列が売り場作りに重要な理由や、売上アップにつながる売り場作りのポイントについて解説しています。

商品陳列の重要性

来店客の多くは、訪れた店舗の売り場を見てから商品の購入を決定しているといわれています。購入するものがとくに決まっていない顧客に対して、商品の存在をアピールし、購買意欲を高めることが売上につながります。

店舗における陳列の役割とは、商品の視認性を上げ、購買率を高めることです。同じ商品でも、陳列を工夫した売場とただ商品を並べただけの売り場では、顧客の購買行動に差が出てきます。

商品陳列の5つの手法

商品を陳列する手法はいくつもあり、目的に応じて使い分けることで商品の見せ方が変わります。ここでは、店舗で使われるケースが多い、代表的な5つの陳列方法について解説します。

バーチカル陳列

バーチカル陳列では、同じカテゴリでくくられる商品を縦方向に揃えて陳列します。バーチカルとは、日本語で「垂直な」という意味の言葉です。

たとえば「食用油」に分類される商品を棚の上から下まで垂直方向に陳列すると、顧客の視線が縦方向に動くため、商品の見落としが少なくなります。ただし、バーチカル陳列は特定商品をアピールすることには適していません。

ホリゾンタル陳列

ホリゾンタルとは「横方向」の意味で、同じカテゴリに属する商品を横方向に並べるのがホリゾンタル陳列です。食用油を例にあげると、バーチカル陳列で食用油の売り場を発見した顧客は、次に「サラダ油」「ごま油」「オリーブオイル」といった油の種類や、どこのメーカーで製造された商品かといったポイントで商品を探します。

このような細かい商品選択をする場面では、ホリゾンタル陳列が向いています。ホリゾンタル陳列は同じカテゴリの商品をまとめて大量に並べるとき主にもちいられ、なおかつ特定の商品を目立たせられるのがメリットです。

それに対して、ホリゾンタル陳列のデメリットは、顧客が商品カテゴリを見逃してしまう可能性があることです。

アイランド陳列

アイランド陳列は、島陳列とも呼ばれる手法です。常設の陳列棚とは別に、通路など顧客がとおる動線上にあえて台を設置して、商品に視線を集めます。

規模の大きい店舗では、広い通路幅を活かして売り場の奥まで島陳列の台を連続して並べ、顧客を店内へ誘導するテクニックが採用されています。狭い通路に陳列台を置くと顧客の動線を妨げてしまい、買い回りしづらくなるので注意しましょう。

エンド陳列

エンドは、陳列棚の端に位置する場所で、通路に面して設置された棚を指します。エンドは主通路に沿って設置されているケースが多く、顧客からすぐ気づいてもらえる場所にあるため、新商品や季節商品、話題の商品を並べることで売上拡大が見込めるでしょう。

また、エンドには顧客の回遊性をアップさせる効果もあり、エンドに関連商品を置くことでその近くの中通路へ顧客を誘導します。

ジャンブル陳列

ジャンブル陳列は「ごちゃ混ぜ」や「乱雑」を意味する英語を語源とした陳列方法で、投げ込み陳列とも呼ばれます。ワゴンやボックスなどの陳列什器に商品を無造作に投げ込むだけなので、きれいに並べたりフェイスを整えたりする必要がなく、店側にとっては陳列の手間が省けます。

お買い得品という印象を与える一方で、商品を投げ込むことによりパッケージが破損する可能性があるでしょう。

現場で役立つ商品陳列のコツ

陳列方法の種類について知っておくことはもちろん大切ですが、実際に売り場を作るときは商品陳列の基本を押さえておく必要があります。商品陳列のコツを7つお伝えするので、参考にしてください。

陳列するアイテムをグルーピングする

陳列を始める前に、まずは商品をグルーピングしましょう。同一の商品や、関連性がある商品、価格帯が同じ商品など、商品をグループ分けしてまとまりを作ることにより、見やすい売り場になります。

グループ同士は少し隙間を空けて、境目を強調すると、それぞれのグループが分かりやすく、顧客に何が売りたいか伝わるでしょう。

売りたい商品を多く並べる

売れ筋などとくに売りたい商品は、フェイス数を多くとるのが陳列の基本テクニックです。一般的に、フェイス数を増やせば顧客の視界に入る確率が上がるため、それに比例して高倍率も伸びていくといわれています。

ただし、フェイス数が多ければ多いほどよいというわけではなく、店舗規模に応じた適正なフェイス数があります。フェイス数を過剰に増やすと在庫量が多くなり、廃棄が増える可能性もあるため、自店にとって少なすぎず多すぎないフェイス数を選択しましょう。

ゴールデンラインに陳列する

売上の主力となる商品は、ゴールデンラインに沿って陳列しましょう。ゴールデンラインは顧客が商品を見たときにもっとも視界に入りやすく、なおかつ手に取りやすい高さを指し、店舗の売上の大半はゴールデンラインの商品が占めているといわれます。

ゴールデンラインは一般的に床から約75~135cmの高さとされていますが、実際には顧客の性別・年齢などによって変動します。男性の身長を約170cmと想定すると、ゴールデンラインは床から130~160cmくらいになるのが一般的です。しかし、女性の場合は、身長約160cmを想定して床から約120~150cmと、男性よりも低い位置になります。

また、身長の低い子どもは床から約80cm以下がゴールデンラインのため、子どもに訴求したい食玩などは足元に近い位置に陳列するのが適しているでしょう。

重さや価格で陳列位置を変える

商品を陳列するときに、商品の重さを基準にして並べる位置を決めることもポイントです。重さのある商品を下段に、軽い商品を上段に置くことは、商品が手に取りやすいだけでなく、顧客に対する安全面を確保する役割があります。

価格帯によって商品の陳列順序を変えるという考え方もあり、下段に価格が低めの売れ筋商品を大量に並べて購買を促す一方で、高価格帯の商品は上部の棚に陳列するのもひとつの方法です。

売りたい商品は中央または右側に陳列する

売り出したい商品は、棚の中央もしくは右寄りに陳列しましょう。棚の中央は、顧客の購入率が高い場所とされています。その理由は、棚の正面に人が立ったとき視界に入る範囲が約90〜120cmといわれていて、棚の端側は目に入らない可能性が高いためです。

また、右側に陳列してある商品が売れる傾向にあるのは、日本人に右利きの人が多く、右側の商品を手に取りやすいからです。

売れない商品は売れ筋商品で挟んで陳列する

売れゆきの悪い商品は、よく売れる商品のあいだに入れ込んで陳列することにより、顧客に認識されやすくなります。売上構成比の高い商品で弱い商品を挟むことを「サンドイッチ陳列」と呼び、売れない商品の視認率を上げるための手法としてよく使われます。

POPなどを活用して視線を集めるポイントを作る

売りたい商品は単に並べるだけでなく、POPや販促物を有効活用して顧客の視線を集めることが大切です。POPや販促物は顧客の目線に入りやすい位置に設置し、設置後も汚れや破損を定期的にチェックして、きれいな状態を保ちましょう。

商品陳列のチェックポイント

売り場に商品を陳列する際は、店側の都合ではなく顧客を中心に考えて売り場を作るようにしましょう。顧客の視点に立って商品を陳列することで、より魅力を感じる売り場ができあがります。

ここでは、商品を陳列するときのチェックポイントを5つ紹介します。

売り場のコンセプトが明確か

テーマ設定のない売り場は、商品がただ並んでいるだけでとくに魅力がなく、顧客に何をアピールしたいのか伝わりません。売り場を作るときはテーマやコンセプトを決めて、統一感のある演出を心がけましょう。

入園入学やクリスマスなどのイベント、季節、ライフスタイルを切り口として、掲示する販促物やPOPに統一感をもたせると、テーマ性がはっきりして顧客が商品に興味を持ちやすくなるでしょう。

顧客が手に取りやすいか

商品を並べるときは、顧客が棚に手を伸ばしたときに商品を取り出しやすいかどうかがチェックポイントです。棚に商品がめいっぱい詰め込んである売り場は、顧客が「いちど商品を取ったら戻せなそう」と感じ、商品を手に取らず立ち去ってしまいます。

ですので、商品の陳列量は顧客が「見やすい」「手に取りやすい」「見たあとに戻しやすい」ことを基準にして決めましょう。

並んでいる商品の量は適切か

商品が少なすぎると売り場がスカスカに見えてしまうので、陳列するときは棚板や陳列台が見えないように商品で埋めるようにしましょう。大量陳列で商品同士を密集させて並べると、顧客に「売れている商品」「人気商品」と認識され、購買意欲につながります。

陳列棚や台は原則として商品で埋めますが、雑然としたイメージを避けたい商品の場合は、スペーシングを活用して陳列するのがおすすめです。スペーシングとは、陳列量やアイテム数を減らして商品の間にスペースを入れて調整することです。

スペーシングで余白を空けた売り場は、高級感や贅沢感のあるイメージを演出できます。

顧客のニーズに応えられているか

売り場作りは、顧客のニーズをリサーチすることから始まります。自店のターゲット層を分析して、顧客がどんな商品を求めているか考えましょう。

ターゲット層にマッチした人気商品を揃えれば、売上をさらに伸ばせるでしょう。

什器や陳列棚のメンテナンスが行き届いているか

売り場作りや商品陳列は、完成したらそれでOKというわけではありません。並べた商品が売れてきたら補充しなくてはいけませんし、売り場が乱れないように清掃や什器のメンテナンスなどの手入れも必要です。

手入れがゆき届いていない売り場は店舗のイメージを損なうため、こまめな補充や清掃を心がけましょう。

商品陳列のコツが学べるおすすめ研修

商品陳列のテクニックを学ぶなら、VMD研修を利用してみてはいかがでしょうか。VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)は、売り場の商品を見やすくして顧客の視覚に訴えかけ、販売促進する手法です。

クリエイティブアルファが提供するVMD研修は、単なるテクニックだけでなくVMDの本質を理解することから始まり、VMDを実践できるセンスを養います。ディスカッションやロールプレイングを中心としたワークショップ形式なので、楽しみながら理解度を深め、店舗に活かせる技術を習得できるでしょう。

VMD研修ならクリエイティブアルファにおまかせください。研修ではVMDの本質を伝え、実践を交えたワークショップで、お客様の購買意欲を引き出すためのお店づくりが理解できます。

まとめ

商品陳列についての知識やコツを押さえておくことは大切ですが、効果的なディスプレイを実践するにはVMDのセンスを習得する必要があります。

短期間でVMDの基礎から実践レベルまで習得したいときは、クリエイティブアルファのVMD研修をご活用ください。店舗の現場を想定したトレーニングやワークショップで、研修後はすぐに売上向上につながる売り場作りを実践できます。

研修の参加人数は1名様から対応し、店舗でのOJTトレーニングも実施いたします。企業様のご要望をヒアリングしたうえで、VMD研修の企画書を無料で作成いたしますので、まずは問い合わせフォームからご相談ください。