店舗ディスプレイで成果を出す!基本原則と実践的なノウハウを解説

店舗ディスプレイで成果を出す!基本原則と実践的なノウハウを解説

お客様が入店の判断にかかる時間は、およそ10秒以下といわれています。
この短時間の中で、お客様は店舗のディスプレイから「商品のクオリティ」や「店舗の品格」などを予想し、入店するか否かを決めるのです。

すなわち、店舗ディスプレイはお客様の目と心を惹き付けるための、非常に重要なブランディング戦略のひとつだといえるでしょう。
本記事では、店舗ディスプレイを成功させる基本原則やノウハウを解説します。

店舗ディスプレイの基本原則と実践的な考え方

店舗ディスプレイの基本原則と実践的な考え方
店舗ディスプレイによって売上を向上させるためには、売場づくりの基本となる原則を理解し実践することが重要です。
ここでは、8つの基本原則について解説します。

清潔感の維持管理

清潔感は、顧客の信頼を獲得するために不可欠な要素です。どんなに工夫を凝らしたディスプレイでも、ガラスの汚れや床のほこりで印象を台無しにしてしまいます。
まずは定期的なチェック体制を整え、清掃の時間や担当者を明確に設定しましょう。「気づいた人がやる」では、仕組みとして機能しません。

具体的には、チェックリストを用意し、開店前のルーティンとして清潔を組み込むなどです。基準を数値や項目で明確にすることで、誰が担当しても一定水準の売場を維持できます。

メッセージの明確化

メッセージの明確化も重要です。一目でお客様に伝わるディスプレイを作るには、伝えたいことを最初に決め、そこからぶれないように完成させる必要があります。

【具体的なメッセージの例】

  • 「ホリデーシーズンに、やさしいニットの温もりを」(季節感を踏まえながら、感情に訴えかける)
  • 『体温が上がる一着』との出会い」(店舗での「体験価値」を伝える)
  • 「明日、どんな『わたし』で生きていく?」(問いを投げかけ、足を止めてもらう)

こうした「刺さるメッセージ」は、お客様の心を掴むフックとなり、企業ブランディングにもつながります。何を伝えたいのか、どんな表現で明確にするのか、じっくり考えてみましょう。

テーマの統一と関連商品のグルーピング

統一感がないとちぐはぐな印象になりやすく、お客様の足を止めることが難しくなります。
色、素材、テイスト、規則性のある陳列ラインなど、多様な切り口から統一感を出すことができます。

たとえば、関連性の高い商品同士をまとめる(グルーピングする)ことで、お客様が商品を比較しやすくなります。

フェイシングによる陳列の見やすさ

フェイシングは、商品のパッケージやラベルを顧客側に向けて陳列する手法です。

売りたい商品や売れ筋商品を集中的にフェイシングすることで、顧客に手に取ってもらいやすくなります。商品が見やすく配置されていると、お客様のストレスが減り、滞在時間の延長にもつながります。

一方で、フェイシングが乱れていると、商品が欠品しているように見えたり、売場全体が雑然とした印象を与えてしまいます。定期的に正面を揃えるだけでも、売場の鮮度や信頼感は大きく改善されます。

配色の心理効果の活用

色相環で隣接する色は統一感を生み出し、対立する色は目を引く売場を表現できます。配色はお客様の心理状態に影響を及ぼし、売場の印象を大きく左右します。

季節やテーマに合わせた配色で店舗全体の雰囲気をコントロールできます。夏は寒色系で涼しげに、冬は暖色系で暖かみのある印象を演出するなど、戦略的に活用しましょう。

購買へ導く顧客導線設計

顧客導線は売上向上の重要な要素です。滞在時間や歩行距離が長くなるほど、売上アップにつながります。

入り口付近やレジ横、通路沿いといった接触頻度の高いポイントに商品を配置し、店内奥まで自然に誘導することを意識した動線作りが求められます。

マグネットポイント(MP)の設置も効果的です。POP、ポスター、大量陳列などを活用し、お客様の視線を集め、店舗奥まで誘導する工夫を施します。

顧客導線は一度作って終わりではなく、季節や売場変更に応じて見直すことが重要です。売れ筋商品の位置を変えた際には、実際の立ち止まり位置や通行の流れを観察し、仮説と検証を繰り返しましょう。

アクセントによる視覚的アピール

陳列の単調さを避けるため、POPの使用、台の上への配置、前方陳列などで動きを加えることが重要です。

新商品や注力商品にメリハリをつけて視線を集めるには、高さや奥行きを持たせる工夫が効果的です。ライザーやスタンドを活用して立体感を出すことで、商品の訴求力が高まります。

余白の調整による商品価値の表現

陳列量を調整すること(スペーシング)で、活気ある印象(多量)と高級感やエレガントな印象(余白を空ける)を使い分けられます。

高級ブランド店は陳列量を抑え間隔を空けてエレガントさを、カジュアルブランドでは商品を多く飾って活気を出すなど、コンセプトに合わせた陳列余白のコントロールが重要です。

ここまで紹介したさまざまなテクニックを多角的に用い、視覚的魅力を高めて購買意欲を高めるマーケティング戦略を、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)といいます。

こちらの記事では、VMDについて解説しています。効果を測る指標や実施する際のポイントも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

店舗ディスプレイの基本構成とノウハウ

アパレル店では三角構成、左右対称構成、リピート構成が基本となります。さらに、応用的なタイト構成やグラデーション構成を組み合わせることで、多様な売場表現が可能になります。

ここからは、基本原則を具体的な配置に落とし込むための構成技術について解説します。

トライアングル

頂点に最も背の高い商品を配置し、安定感や立体感を出す手法です。三角構成は人が普遍的に美しいと感じる形であるため、心理的に誰が見ても落ち着き感があり、目に留まりやすい装飾陳列手法です。

正三角形にこだわらず、二等辺三角形や不等辺三角形も活用することで、狭いスペース(エンドコーナーなど)でも立体感を出すことができます。対象スペースを正面から見て三角形を描き、頂点を決めてから、三角形に沿って次第に低くなるように商品を配置していきます。

シンメトリー

人間の脳は対称性を好む傾向があるとされています。この考えに基づくのが中心線を軸に左右対称に並べる「シンメトリー」という方法で、高級感・フォーマルな印象・安心感・安定感を与えます。

モダンで美しいまとまりを出すためには、高さや大きさ、素材感を揃えることが重要です。クラシックやフォーマル、インテリア雑貨、アクセサリー・宝飾品などの小物商品の装飾に使われることが多い構成です。

アシンメトリー

シンメトリーと反対に「アシンメトリー」といった方法もあります。左右不均等に配置することで、新鮮で活動的な印象、オリジナリティを演出する手法です。
あえて左右対称を崩すことでディスプレイに動きを出し、店舗の個性を全面に出したい場合に適しています。

高額商品や一点ものの装飾に最適であり、斬新さが際立つ効果があります。左右に強弱をつけることで個性的な売場を作ることができ、アクティブでカジュアルなイメージを表現できます。

リピート(リピテーション)

同一商品を等間隔で配置し、遠くからの視認性が高い手法です。商品のフォルムやカラーをアピールしたい場合に適しています。とくに店舗の入り口付近や壁面など、広範囲にアピールしたい場所に活用することで、お客様の入店を促し、店舗奥へ誘導できます。

ひとつのパターンで繰り返し見せて、リズム感や連動性を感じさせ、商品の特徴や主張などを自然に認識させることができます。

タイト

タイト構成は、商品をぴったりと寄せて陳列し、ブロックと余白を意図的に作る方法です。人の視線は「塊」に自然と引き寄せられるため、商品そのものの存在感を強く印象づけられます。

とくに同一アイテムや価格帯をまとめたい場合に有効で、売場にメリハリを生み出します。量感を演出できるため、定番商品や主力商品、在庫をしっかり見せたいシーンに適しています。

一方で、詰め込みすぎると雑多な印象になるため、周囲に余白を残し、ブロック単位で見せることが重要です。

グラデーション

グラデーション構成は、色相環や明度の変化を意識し、色が自然につながるように配置する手法です。色数が多い売場でも統一感を保ちやすく、カラーバリエーションの豊富さを分かりやすく伝えられます。

同系色で淡色から濃色へ、あるいは暖色から寒色へと並べることで、視線がスムーズに流れ、売場全体に心地よいリズムが生まれます。ニットやカットソーなど色展開が多い商品に適しており、「選ぶ楽しさ」と「整理された印象」を両立できる構成です。

店舗ディスプレイ改善の重要ポイント

ここからは、ディスプレイを成果に結びつけるための実務的な指導ポイントに焦点を当てます。店長やスタッフが店舗の成果を出すために何を意識して改善すればいいかという視点で、具体的な陳列技術と什器の活用を解説します。

ゴールデンゾーン・ラインを意識する

売上の8割がゴールデンラインに集中するといわれるほど、重要性の高いポイントです。ゴールデンゾーンとは、お客様が最も商品を手に取りやすい高さの範囲を指します。

範囲はターゲットの目線の高さや什器の種類で変わりますが、一般的には床から75cm~135cm程度とされています。売れ筋商品をゴールデンゾーンに配置し、その周辺に関連商品や新商品を配置することで、相乗効果を狙うことができます。

什器を活用して商品の魅力を引き立てる

什器はあくまで商品を引き立たせるための存在です。店舗のコンセプト、デザイン、陳列効果、耐久性、スペースを考慮して選ぶことが重要です。

シンプルな什器で商品を目立たせる手法と、個性的な什器をアクセントとして取り入れる手法があります。広い部分で使用する什器は、周囲と馴染み、商品を引き立てるシンプルな棚がおすすめです。

素材で店舗の印象は大きく変わる

什器の素材はブランドイメージを表現します。木材を使えば暖かみのある印象、ステンレスを使えば都会的でスタイリッシュな印象、ガラスを使えば清潔感と高級感のある印象を演出できます。

素材を揃えることで統一感を出す重要性も忘れてはいけません。ナチュラルテイストの売場ならウッドの什器、モダンでクールな売場ならブラックスチールなど、店舗のテーマに合った什器を選びましょう。

クリエイティブアルファの「売場づくり(VMD)研修」では、顧客の購買行動を引き出し、売上を向上させるための視覚的販売促進戦略(VMD)を学べます。ぜひご活用ください。

まとめ

店舗ディスプレイは、入店・購買のきっかけを作り、買い物そのものを「楽しい体験」に変えるための重要な要素です。本記事で紹介した基本原則などは、感覚やセンスに頼らず、誰でも再現できる形で売場を整えるための実践的なノウハウです。

しかし、実際の店舗運営では教育や実行、継続が難しく、店舗ごとのばらつきが生じやすいのも事実です。

クリエイティブアルファでは、店舗運営の質を安定させるための研修サービスを提供しています。覆面調査による客観的な評価と、現場を想定した実践的な研修を通じて、ディスプレイ改善を「一過性の施策」で終わらせず、日常業務として定着させることをサポートします。

売場づくりを見直し、店舗全体の成果につなげたいとお考えの方は、ぜひクリエイティブアルファの研修サービスをご活用ください。

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