競争のはげしい業界で生き残るためには、部下の育成が必要不可欠です。 スキルの向上は部下の成長にもつながり、お店全体のパフォーマンスも向上させます。しかし部下の育成は、どの業界・企業でも悩む問題でしょう。
この記事では、部下育成を成功させるポイントについて紹介しています。 失敗する5つの原因についても解説しているため、どのように指導していけばよいのか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
部下育成とは
部下育成とは、スキルアップやサービス向上のために部下をサポートすることです。 競争の激しい業界は、お客様の獲得も一苦労です。
新規客をお店のファンにする、お得意様が遠のかないためには、品質の向上やあたらしいニーズへの対応など、なにかしらの工夫が必要となってきます。部下育成は、お店のファンづくりの一助となります。育成が成功することで、お客さんの満足度があがりお店の業績がアップするでしょう。部下育成を成功させるためには、部下にどのような体験、研修をさせるのかが肝心となります。
部下が育つ上司の特徴は?
部下が最高のサービスをお客さんに提供するためには、指導する側の上司が信頼できるひとでなければなりません。信頼できない人間に指導されても、付け焼き刃のスキルや知識しか身につかないからです。
部下の信頼を勝ちとることがまずは先決と考えましょう。
なにか問題が起こり、部下が上司に相談したくても、信頼がなければコンタクトを取りにくくなります。結果として、ひとりで問題をかかえてしまうことになりかねません。 とくに新人は上司をみて仕事を学びます。上司やまわりがよく遅刻するような方だと、職場では多少の遅刻は仕方ないと思うようになります。手を抜いているところを見たら自分も多少は手を抜いてもよい、ミスをしても謝らないなら自分も謝る必要はないと考えてしまいます。部下に日頃からどのように見られているのか、自分の行動を一度ふりかえってみましょう。
部下の特徴を把握
部下育成を成功させるためには、部下の特徴を把握しておく必要があります。一人ひとりにあわせた育成法をとらなければ、スキルは向上しないからです。
特徴を把握するためには「ウィル・スキルマトリクス」の利用が最適です。ウィル・スキルマトリクスとは、部下の状況を把握し、スキル向上のためにどのような方法をとればよいかを考えるためのフレームワークのことです。 やる気(ウィル)と能力(スキル)があるかないかによって4つのパターンにわけられます。
やる気はあるが能力が低い
やる気はあるのでつねに一生懸命ですが、能力が低いためにときに失敗してしまう人材です。スキルが不足している部下は、上司からのアドバイスやフィードバック、研修の実施などでスキルを補います。
やる気があり能力も高い
やる気があり能力も高い人材は、あまり育成の必要はありません。強引な指示はかえって部下のやる気をそいでしまうため、逆効果です。
信頼してまかせることが大切です。大きな仕事をまかせる、リーダーに任命するなどして、さらにやる気や能力を高めていきましょう。
やる気もなく能力も低い
やる気もなく能力も低い人材は、明確な指示を出して動いてもらうことが重要です。その過程でスキルを学び、成功を体験してもらいます。
やる気がない原因は、仕事が大変過ぎる、成長感がない、未来が不安などさまざまなものがあるため、引き出すのがきわめてむずかしいのが特徴です。 仕事の成功体験が増えることで、自然にスキルアップができやれる仕事の幅も増えます。その結果、やる気があがるようになる可能性があります。
能力は高いがやる気が低い
能力は高いがやる気が低い人材は、どれだけ仕事のやり方をといても意味はありません。
勝算があるため、アドバイスに耳をかたむけず、自分なりのやり方ですすめることも多いです。やる気にさせるためには、モチベーションがあがるポイントを見つけて刺激する必要があります。
コミュニケーションをとりながら探していきましょう。部下の育成で失敗する5つの原因
部下育成を失敗してしまう事例は多くあります。なぜ失敗してしまったのか、よくある5つの原因を見ていきましょう。
上司が多忙で部下の育成時間を作れない
上司が多忙のため、部下の育成に時間がとれないケースです。とくに管理職や経営者などは、自身がかかえている仕事で忙殺されているため、部下の育成にまで手がまわりません。
片手間に指導したとしても、部下はなにかわからないことや問題があっても、忙しい上司に気を使い相談をためらってしまいます。そのため、なかなか育成が図れないケースが多いです。
上司のマネジメントスキルの不足
上司のマネジメントスキルが不足しているケースです。マネジメントスキルとは、お店を円滑に運営するためにかかせないコミュニケーションスキルやリーダーシップのことです。 これまでマネジメントスキル習得のための研修を受けていない方は、いままで自分が上司から受けてきた指導を行う傾向があります。
一方的な指示や注意を行う上司も多く、前時代的な押し付けがましい育成方法では部下の育成は成功しません。近年は働いている職場が嫌なら、ほかの職場に移ればよいという価値観のため、離職の原因になる場合もあります。
部下の個性を把握できていない
部下の個性を把握できていないと、育成は失敗してしまいます。
一人ひとりにあわせたコミュニケーションやアプローチが大事だからです。たとえば、仕事で部下が成果を出した場合、多くの方は自身がいわれて嬉しい言葉をいうでしょう。
しかし、価値観の違う相手にとってはその言葉を不快に感じるケースもあります。かならずしも部下と自分との価値観が同じだとは決めつけてはいけません。一人ひとりの個性を把握し、尊重していく必要があります。
部下とのコミュニケーションの不足
忙しくて業務以外の時間がとれない方に起こりやすいのが、部下とのコミュニケーション不足です。コミュニケーションがとれていないと、部下が辞める、メンタル不調で働けなくなったなどが前触れもなく起こってしまうかもしれません。 日頃から関係性を築いておくことで、問題の深刻化を防げます。
また部下とコミュニケーションをとる際は、一方的に話すのではなく、聞く姿勢が重要です。話をよく聞くことで信頼が深まり、日頃から相談がしやすい関係になれます。
育成時のフォローやフィードバックの仕方に問題がある
育成時のフォローやフィードバックに問題があるケースです。よくあるのが、部下がミスした際に、フォローをせずに放置してしまう上司です。
教育状況や部下のスキルによっては、まだまだフォローが必要な場合もあります。サポートされないまま放置されてしまったら、部下も戸惑ってしまいます。
しかし、フォローをしすぎてもいけません。部下の成長を阻害するばかりか、自信をなくさせてしまいます。日頃は後ろから見守るスタンスでいて、必要なときにだけフォローするようにしましょう。
一方、フィードバックは、問題のある部分のみを指摘してしまうと部下のモチベーションをそこなってしまいます。褒めるポイントもつくってあげて、成果だけでなく過程も見るようにしてあげましょう。
部下育成を成功させるためのポイントは?
ここからは部下育成を成功させるためのポイントについて紹介します。以下を参考に部下と接するようにしましょう。
対等な関係を築く
対等な関係を築けると、部下はなにか問題が起こった際にすぐに相談できるようになります。日頃から部下の意見を尊重し、コミュニケーションをよくとるようにしましょう。
とくに若い世代は、インターネットやSNSの普及により、自分の価値観と合う人々と長い期間過ごしてきた傾向があります。そのため承認欲求が高く、自分の考えを否定される、強制されるという経験があまりありません。
強い上下関係も苦手です。部下が日頃から意見をしやすい関係性づくりを大切にしてください。
自分の考えを押し付けない
部下を指導する際に自分の考えを押し付けてはいけません。自分にとっての普通は部下にとっては普通ではない可能性があるからです。
アドバイスひとつとっても、その内容が部下にとって納得のいかないケースもあります。無理に従わせようとすると、仕事へのモチベーションがさがってしまいかねません。指示どおりに動こうとして自分で考えなくなるリスクも発生します。
できるだけ部下に任せる
できるだけ仕事は部下にまかせましょう。自ら行動してもらうためには、指示待ちを習慣化させないことが大事です。指示された仕事ばかりしていては、部下の成長や成功経験をつむ機会をうばってしまいます。
そして仕事を一度まかせたのなら不用意に口や手を出さないようにしましょう。上司の手をかりずに自分で行った仕事は、失敗したとしても部下の糧となります。
プロセスも評価する
評価をする際は結果だけに注目しがちですが、そのプロセスも評価するようにしましょう。プロセスに着目することで、部下が努力していることや考え方がわかり、より成長を促せます。 仮に結果が出なかったとしても、部下の自信や未来への成長につなげられるでしょう。
細かく進捗報告をしてもらう
トラブルが起きてもすぐに対応できるように、こまかく進捗報告をしてもらいましょう。報告は何時にすると決めると、今部下がしていることを把握できます。また報告だけでなく改善点やアドバイスを告げることで、成長をうながせます。
キャリアアンカーを活用する
キャリアアンカーとは、アメリカの心理学者シャインが提唱したキャリア理論です。自らのキャリアを選択する際に大切にする価値観や欲求は、たとえ環境が変化したとしても生涯変わらないという考え方です。 どの働き方に幸せを感じるかは、以下の8つにわかれます。
・特定分野で力を発揮したい
・責任ある役割をにないたい
・保障や安全、経済的な安定をえたい
・自分の創造性をいかせる仕事につきたい
・自分のペースで自由に仕事がしたい
・ひとの役にたてる仕事をしたい
・ワークバランスをととのえたい
・つねに挑戦していたい
一人ひとり向いている働き方は異なります。キャリアアンカーを活用することで、育成方針を決めていくとよいでしょう。
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まとめ
部下育成を成功させるためには、部下の個性や価値観を把握しておく必要があります。強みやポテンシャルにあった役割をまかせることで、部下のスキル向上だけでなく、お店全体のパフォーマンス向上が期待できます。
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